中央大学 理工学部研究室ガイド 2023
61/112

生命化学の主役はタンパク質 人間だけでなく、犬猫用の人工血液も開発中です。犬や猫には献血システムがないため、備蓄血液がありません。獣医さんたちは大変困っているのです。犬猫用の人工血液が完成すれば、獣医療に大きな革命をもたらすものと期待されています。 最近では、これらの人工酸素運搬体が、光照射で作用する抗がん剤や、脳梗塞の治療薬として機能することも見出しました。是非、人工血液研究の最先端をご覧下さい。 研究テーマのキーワードは学部ガイドと統一いたしますので、ご記入いただく必要はございません。 メインナノ、マイクロ関連生物、バイオ、バイオテクノロジー/医用工学サイバネティクス、人とシステム人工知能/感性工学研究室でメインに学べるキーワード関連して学べるキーワード※P1の一覧表と合わせてご参照ください。59【キーワードの見方】メイン関連世 界 が 注 目 す る バ イ オ マ テ リ ア ル を 開 世界が注目するバイオマテリアルを開発=人類の健康・医療に役立てる=発 = 人 類 の 健 康 ・ 医 療 に 役 立 て る = 人間の体(皮膚、筋肉、臓器、血液など)はタンパク質でできています。食べ物を消化する酵素、病原体や異物を認識する抗体も全てタンパク質です。つまり、生命現象の主役はタンパク質なのです。我々は、タンパク質をつくったり、つないだり、かさねたりする方法(タンパク質化学)により、人類の健康・医療に役立つバイオマテリアルを開発しています。 人工血液(人工酸素運搬体)の実現は次世代医療の最重要課題です。少子高齢化、ウイルス感染拡大などにより献血者数が減少すると、輸血用の血液が不足し、医療体制が維持できなくなります。そこで、人工血液の実現に大きな期待が寄せられているのです。我々は ヘモアクト™、ヘモキサ™、Hbナノ粒子™などの人工酸素運搬体を開発しました。人工物なので大量合成が可能で血液型もありません。現在、国内外の薬学・医学の研究者や企業と協力し、実用化を目指した研究を進めています。JAXAと共同でタンパク質(ヘモグロビン)の結晶構造解析も行っています。 生命分子化学研究室 応用化学科 生命分子化学研究室人工血液、抗がん剤、脳梗塞の治療薬、ウイルスの捕捉剤など、ユニークなバイオマテリアルの開発を進めています 応用化学科小松 晃之 教授 小松 晃之教授

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る