生命現象における電気的現象を工学的な手法を使って理解しよう■研究概要私たちの研究室では脳や心臓などにおける生体での電気的現象を研究対象とし、工学的な発想を基に生命現象を理解し、新規薬物、計測機器、治療法の開発に貢献しようとしています。脳や心臓では細胞の膜を介して電気が流れることにより生命に必要な活動が起きます。そのため、脳や心臓では電気が果たす役割は非常に重要です。この生体での電気的現象を、電気生理学と呼ばれる分野の実験的手法やシステムバイオロジーと呼ばれる分野の理論的手法で研究します。電気生理学では、細胞膜を流れる電気によって生じる電流、電圧、磁場などを計測することにより生体のメカニズムを解明します。我々は近年の電子工学の発展を基にした光音響効果や電磁波を利用した新しい電気生理学の計測手法を開発しようとしています。システムバイオロジーは、システム工学の考え方や解析手法を生命科学へと応用し、生命現象をシステムとして理解することを目的とする学問です。実験結果をコンピュータ上でシミュレーションにより再現し、分子から個体に至る多階層での生命現象を理解することで、社会に役に立つ様々な応用を目指します。■研研究究テテーーママ例例当研究室では、実際の生体での実験・計測やシミュレーション研究での解析を行うことで、理論と実験の間で知見のフィードバックを行います。具体的な研究テーマとしては、脳波の発生機序の解明、脳波計測によるスポーツにおけるフロー状態の検討、光で超音波を発生させて体内を計測する光音響イメージング、電磁波で体内の電流や抵抗を計測する手法の開発などを行っています。■受受験験生生へへののメメッッセセーージジ近年の社会の高齢化により対策を要する疾患の変化、創薬のコスト上昇、動物実験への制限などの課題にたいして、我々は電子工学を応用して解決方法を提案しようとしています。実は私は高校生時代に電子工作が大好きであったがまったく医学や生物に興味がありませんでした。しかし、たまたま電気生理学やシステムバイオロジーという学問に出会い、生命の機械としての側面とそこで果たす電気の役割に魅了されています。学生の皆さんにも、電気を扱う工学とその応用先として電気生理学の面白さを分かって頂ければと願っています。脳脳・・心心臓臓疾疾患患のの増増加加創創薬薬ののココスストト上上昇昇動動物物実実験験へへのの制制限限電電子子・・光光工工学学的的計計測測手手法法デデババイイスス作作製製力力大大規規模模科科学学計計算算数数理理的的思思考考力力電電気気生生理理学学的的現現象象医医療療機機器器、、医医療療技技術術、、医医薬薬品品のの創創出出当研究室が目指している方向性電電気気系系工工学学科科のの強強みみ48シシミミュュレレーーシショョンン技技術術実実験験とと理理論論のの統統合合XXXX号室社社会会的的ななニニーーズズ目目指指すすべべきき方方向向性性メイン医用工学関連シミュレーション/その他(電気生理)生体情報工学研究室生命現象における電気的現象を工学的な手法を使って理解しよう電気電子情報通信工学科村上 慎吾教授
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