中央大学 理工学部研究室ガイド 2023
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私たちの研究室では、超弦理論、一般相対性理論、場の量子論といった理論物理学の研究をして います。さらに、これらの理論を応用して、非平衡状態にある物質の基本的な性質などの解明に挑戦しています。 ●● 超超弦弦理理論論ととはは?? すべての物質は粒子ではなく非常に短い弦(ひも)から出来ているとする理論です。もともとノーベル物理学賞受賞者の南部陽一郎先生らが「強い力」とよばれる相互作用の説明のために提唱をしました。現在では、重力の量子論や素粒子の統一理論の候補として注目をあびています。 ●● 一一般般相相対対性性理理論論ととはは?? アインシュタインが約 100 年前に提唱した重力の性質に関する理論です。この理論によれば、重力は時間・空間のゆがみによって生まれていることになります。アインシュタインの理論は、重力が強くて光さえ逃げ出すことができない「ブラックホール」とよばれる天体の存在を予言します。最近、ブラックホールが衝突した時に生じた重力波が観測され、またブラックホールの画像が撮影されるなど、アインシュタインの考えの正しさが次々に明らかになっています。 ●● 場場のの量量子子論論ととはは?? 微少な粒子の世界では、粒子と波の区別がなくなり、粒子の位置や速度(正確には運動量)を同時に決めることができない、という不確定性原理が現れてきます。このような一見不思議な現象を予言するのが「量子力学」です。「場の量子論」とは、たくさんの粒子を量子力学で扱うために考案された理論です。現在の素粒子の理論は、場の量子論で作られており、最近発見されて話題となったヒッグス粒子も、場の量子論により予言されました。日本のノーベル賞受賞者の湯川秀樹、朝永振一郎、小林誠、益川敏英、南部陽一郎などが、その発展に貢献しました。 たくさんの粒子の動きを「平均化」して、重要な部分のみを取り出して扱うのが熱力学です。最近の超弦理論の研究により、実は、ブラックホールの物理学が熱力学の数学的な書き換えになっていることが分かってきました。私たちはこの関係を利用して、たくさんの粒子から成る物質の性質、特に非平衡状態にある物質の性質を、ブラックホールの物理学で解明する研究をしています。これは、きっとアインシュタインも思いつかなかった、アインシュタインの理論の応用です。 研究室ホームページ: https://www.phys.chuo-u.ac.jp/labs/nakamura/index.html メイン素粒子関連物性/宇宙10超弦理論とブラックホールの物理学を使って非平衡系の物理学に挑戦する超超弦弦理理論論ととブブララッッククホホーールルのの物物理理学学をを使使っってて非非平平衡衡系系のの物物理理学学にに挑挑戦戦すするる 理論物理学を総動員してアインシュタインを超えろ! 素粒子理論研究室物理学科中村 真教授

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