中央大学 総合政策学部 2025 GuideBook
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国際政策文化学科3年静岡県立浜松南高校出身片桐 俊博(左)国際政策文化学科3年長野県立長野高校出身文屋 麗(右)>私からの一言誰でも特権性(マジョリティ性)とマイノリティ性の両方を持っていると認識することがダイバーシティ理解につながります。共同研究者国際政策文化学科3年宮城県仙台第一高校出身19大学生の中にも残っている無自覚から生まれる構造的偏見テーマ大学におけるダイバーシティ教育の地平〜学生主体のダイバーシティ推進に向けて〜マイノリティ性や特権性といった言葉は、ダイバーシティに関心のある人以外には知る機会の少ない言葉です。大学内のダイバーシティを推進するために、私たち学生ができることで、より多くの人に考えてもらうきっかけとなるプロジェクトを考え、実行しました。 大学をはじめとし身近なところでダイバーシティ(多様性)は推進されていますが、根本的な差別や生きづらさの解消にはつながっていません。また、人権教育や道徳教育は義務教育までで、大学などの高等教育では触れる機会が少ないのが現状です。そこで、学生に対して特権性(マジョリティ性)やマイノリティ性への気づきを促すプロジェクトの意義はある、と考えました。 具体的に実施したのは、先行研究の読み込み、学内担当部署や他大学教員、市民団体への聞き取り調査、学生を対象としたワークショップ(以下WS)です。 WSでは、「外国人が部屋を借りようとして断られる率はどれくらいか?」といったクイズに答えた後、「外国人」や「性的少数者」等のマイノリティになって差別を体験するゲームを実施。「マイノリティの苦悩が理解できた」「ダイバーシティを学ぶ環境が不十分だと気づいた」といった反応があり、WSが自己理解や他者理解につながったことが実証できました。さらに多くの人に知ってもらうには、専門家や関連部署とも連携して活動の幅を広げることが課題です。 このプロジェクトを通じて私自身の特権性(マジョリティ性)とマイノリティ性を自覚し、考えを論理的に伝える力を伸ばすことができました。将来は大学院に進学し、教育と社会について研究を深めていきたいと考えています。伊藤 彩花プロジェクト奨学金受給体験談

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