国際政策文化学科3年私立中央大学附属高校(東京都)出身共同研究者国際政策文化学科3年/神奈川県立厚木高校出身政策科学科3年/神奈川県立海老名高校出身政策科学科3年/福島県立郡山東高校出身15言語や生活習慣の壁を乗り越え、多様な選択肢を用意することが必要テーマ日本におけるウクライナ避難民の生活支援―急拡大する受け入れにおける課題とは―和田 あずみ神保 実沙小椋 伊織>私からの一言在日ウクライナ大使館で聞いた「友だちになって」という言葉が印象的。「かわいそう」という先入観が意思疎通の妨げにもなっています。「ロシア・旧ソ連地域の社会と文化」を研究するゼミに所属し、宗教や芸術、娯楽などを研究していただけに、2022年2月に始まったウクライナ侵攻は衝撃でした。そこで、日本における避難民受け入れの課題を考察することで今後の支援活動の手助けになればと思い、プロジェクト奨学金に応募しました。 2022年11月現在で日本は約2100人の避難民を受け入れています。18歳から60歳の男性は出国禁止のため、多くは女性。留学・就労経験がある、家族や関係者がいる場合がほとんどですが、日本文化への興味から来日した人や、オリンピックなどスポーツの交流が活かされていることは意外でした。今回は生活支援を行っている厚木市、大阪府、八尾市などの自治体及び国際協力団体、在日ウクライナ大使館ほか、避難民自身にも取材を行いました。その結果、わかった課題は3つあります。1つ目は言語や生活習慣の壁。2つ目は精神的サポートの不足。3つ目は就労先や公営住宅の選択肢の不足です。本国でキャリアを活かしたいという人も含めて、多様な選択肢を用意することが必要になっています。避難民自身がコミュニティを形成し、自治体と協力している成功例もありました。 調査を通じて、プライバシーや当事者への配慮から取材協力が得にくかったことに苦労しました。政治的発言は避け、困っている人を助けることが大切という観点を貫くことにも神経を使いました。一方、論理的思考力が身につき、文章の構成力も大幅に向上したと実感しています。この成果を基礎として、より充実した卒業論文を仕上げ、今後の支援に少しでも役立てるよう、準備を進めています。椿 恵プロジェクト奨学金受給体験談
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