知らなかった﹁当たり前﹂に気付かせてくれる授業07電子チケット管理アプリ「Diplo」の提案書日本一楽しいゴミイベント「TRASH ROYAL」 造する精神(アントレプレナーシップ)とを兼ね備えた人材の育成に取り組んでいます。「アントレプレナーシップ」履修生インタビュー都市環境学科2年私立川越東高等学校(埼玉県)出身増田 樹 河川工学を専門的に学びたいと考え、理工学部都市環境学科に入学しました。一方で、かねてより経営者をめざしたいという強い思いがあり、起業家として必要な知識や素養を幅広く学ぶため「アントレプレナーシップ」という授業を履修することにしました。この授業は、ビジネスモデルやアプローチ戦略マインドセットなど、実例の解説とともに進んでいきます。世界と日本の商習慣やトレンドの比較は大変興味深く、なぜアメリカの配車サービス「Uber」が日本進出に失敗したのかなど、具体例を題材にした内容が特に印象的でした。また、株式会社大創産業創業者で理工学部土木工学科(現都市環境学科)卒業の矢野先生をお迎えしての特別講義では、めったに聞くことができないお話をたくさんうかがうことができて、非常に有意義な時間でした。実は2022年4月、高校時代から続けているゴミ拾いのプロジェクトを事業化すべく、一般社団法人を立ち上げました。念願の経営者となったわけですが、これまで知らなかった「当たり前」がたくさんあることを、この授業を通して知りました。たとえば特許関係。中国では実に日本の30倍も商標の出願があるそうです。日本では特許に関する認識が甘いという担当の藤井真也先生の言葉に多くを学びました。ほかにも、競合分析や市場分析、資金調達の手法など、独学では不十分だった多くの知識をこの授業で得ることができました。なお、この授業の最終的なゴールは、ビジネスプランの作成・発表です。私は電子チケット管理アプリの開発に軸にした事業を考案しました。これは、ゴミ拾いのイベント参加者の管理で苦労した自身の経験に端を発したもので、使ったら消えてしまう電子チケットに紙チケットの半券のような「思い出」としての価値を加えることを大きな目的としています。また、本業のゴミ拾いの事業についても並行して発展させていきたいと考えています。「海に流出するゴミをなくす」という大きなテーマのもと、授業で得た知識を取り入れながらプランを再構築したことで、現在では企業が主催するゴミ拾いイベントの企画・運営で収益を上げることができています。今後も規模を拡大しながら、より多くの人が社会貢献を楽しめる環境を創出していきたいと思っています。 起業と聞くと、理系の学生にはハードルが高く感じるかもしれません。しかし、みずからモノを生み出す技術を持っている理系の学生は、実は起業にとても有利です。行動力さえあれば自分で世の中を変えていけます。本学には学生の挑戦を応援してくれる先生方もそろっているので、少しでも企業に興味のある人は、是非この授業をきっかけに新たな一歩を踏み出してほしいと思います。一方で、起業に興味がない人にもこの授業は大いに役立つと感じています。ビジネスモデルやアプローチ戦略など、社会に出たときに必要となる教養を身につけられるので、単純にビジネスに興味がある人や将来の就職について考えている人も気軽に履修しみてはいかがでしょうか。きっと新たな気付きがあるはずです。トレプレナーシップ教育
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