48自作の微小ギャップ電極を用いた高感度電気化学分析。GO赤色蛍光GO赤色蛍光蛍光分析の高感度化を目指したセンサ材料研究。CheckGOセンサ応答GOセンサ応答ほぼ全てのものは「分子」や「イオン」とその組みあわせから成る 新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの方が粘膜や唾液で検査を行ったことかと思います。私が研究する「分析化学」の分野はそういった健康管理や病気の検査にも役立つ学問です。私たちの身体や身のまわりのほとんどの物は、全て分子やイオン、それらが複合してできた材料からできています。ただ、それらは目には見えないほど小さく直接観察することが難しいため、当研究室では、分子やイオンが持つ性質を利用し、光や電気などの測定可能な信号に変換するセンサの開発をしています。 具体的には、対象となる分子の大きさや形状、極性などの性質を把握した上で、例えばその分子がくっつくと光るといった“仕掛け’'を作ります。この仕掛けを動作させるセンサの作製成功すれば、測定したい物質が光や電気として可視化されるため、特定の物質の存在を確認したり挙動を把握したりできるようになります。この研究はさまざまな分子への応用が効くため、冒頭にお伝えした病気の検査をはじめ、大気や水などの環境モニタリング、汚染物質や有害物質の検出、食品や薬の品質管理など、非常に幅広い分野への発展が望めます。身近な物や事象の技術発展が期待できる学問 もともと私の学生時代の専門分野は物理化学で、分子やイオンの形状や物性、機能の結びつきに関しての研究を行っていました。純粋に、目に見えない分子の振る舞いが目に見える現象を引き起こすことが面白くて化学に興味を持ち始めたのがきっかけです。社会に出て、世の中にも貢献できる研究分野として、物理化学から分析化学に主軸を移しましたが、分析化学は本当にさまざまな分野に応用できる学問です。当研究室の学生も食品や化粧品など、身近で興味のあるものをテーマに研究を進めています。長く研究を続けていると「知っているがために発想が広がらない」という事象がたくさんあります。学生のフレッシュな頭脳と発想で生み出せる技術は、まだまだたくさんあるでしょう。これからの若い世代に期待しています。応用化学科の詳しい研究内容はこちらから分析化学応用化学科上野 祐子 教授分子計測学研究室中央大学理工学部には、理工学の広範な領域をカバーする���以 ここでは各分野の最先端を 目に見えない「分子」や「イオン」の性質を活用して社会に役立つ研究を中大理工
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