51Checkビジネスデータサイエンス学科の詳しい研究内容はこちらからコロナワクチン接種に関するTweetの国別の感情分析。地図上に表示された複数の旅行ブログの自動要約。ビッグデータ時代に欠かせない自然情報処理技術 スマホやパソコンでローマ字入力すると漢字かな混じりの日本語に変換されますよね。また、英語を入力して日本語に変換する機械翻訳も使ったことがある人も多いでしょう。このように、私たちが普段使っている言葉をコンピュータで処理することを「自然言語処理」といいます。なぜ「自然」と付けるかというと、プログラミング言語と区別するためです。 人工知能の一分野である自然言語処理はここ数年でめざましく発展しました。特に翻訳においては、機械と人間どちらによる出力なのか区別できないほど高精度になっています。また、画像処理など他分野の技術と組み合わせた研究も増えてきており、「アボカドの形をした緑のイス」と文字入力するだけで、そのような画像を作り出すことも可能です。世界中のツイートから感情を時系列や国ごとに分析 専門は自然言語処理技術を用いて大量のテキストを分析するテキストマイニングに関する研究です。最近では、Twitterから新型コロナウイルスに関する世界中のツイートを集め、それが怒っているのか喜んでいるのかという感情を自動推定し、時系列や国ごとに分析しています。そうすると、例えば、ワクチンの接種率が上がるとともに人々の感情がどのように揺れ動くのかなどが見えてきます。この研究を、他の研究室と協力して進めている災害時のリスクコミュニケーションに関するプロジェクトに活用していくつもりです。 自然言語処理の魅力は、アウトプットがわかりやすい点にあります。翻訳、要約するにしろ、自分が使っている言葉で結果が出てくるわけですから。私の研究室の学生たちは、自然言語処理や画像処理の技術を使い、世界中の旅行ブログを分析して地図上にマッピングする研究を行っていますが、これもつい時間を忘れて地図を眺めてしまうほど面白いものになっています。 自然言語処理を含めた人工知能の研究には幅広い知識が必要ですが、そのぶん世界が広がる楽しさがあります。まだまだ進化を続けるこの分野を一緒に研究してみませんか。自然言語処理ビジネスデータサイエンス学科難波 英嗣 教授自然言語処理研究室世界にあふれる大量のテキストデータから価値ある情報を「見える化」する
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