中央大学 理工学部 2024 GuideBook
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50Check電気電子情報通信工学科の詳しい研究内容はこちらから水素エネルギーや電池の劣化検知など幅広いジャンルに応用 「スマホの電池、もっと長持ちすればいいのに……」と思ったことはありませんか?私は電池をはじめとするエネルギー変換デバイスの性能を高める研究を行っています。蓄電・発電の効率を上げる手法を開発するほか、デバイスに使われる材料や素子についても研究します。研究室で力を入れている3つのテーマ 研究室で特に力を入れているテーマは3つ。1つは「水素エネルギー」。いま、エネルギーとして利用する際に二酸化炭素を排出しない水素エネルギーは大きな注目を集めており、水素を燃料とした燃料電池で動く自動車やバスが実用化されています。ところが、水素は加熱することで生成されているため、生成段階で二酸化炭素や有害物質が発生してしまいます。そこで、太陽エネルギーを使って効率よく水から水素を取り出す研究に取り組んでいます。 2つめは、電池事故を防ぐための劣化検知。時々「スマホの電池が劣化して爆発した」というニュースを見かけますよね。スマホだけでなく、自動車や飛行機にバッテリーとして積まれている電池が事故を起こすこともあるのです。そうした電池事故を未然に防ぐため、電池の劣化をいち早く検知するセンシング手法を開発しています。 3つめは、家庭で使える小型の医療用センサの開発。病院に行く前に、家にいながら身体の状態を把握し、プレ診断ができるようなセンサの開発を目指しています。ゆくゆくは美容分野でもセンサ技術を活用していくつもりです。 これだけでもわかるように、エネルギー変換は幅広いジャンルに適用できる学問分野です。学問の成果を実社会に生かしながら、さらに研究を深めていくのが私のモットーです。「世の中のこういう問題を解決したい」「もっとこうだったらいいのに」という気持ちを大切に、世の中に役立つ研究をしてみませんか。新規複合材料の電子顕微鏡像と元素組成マッピング像。電子顕微鏡を用いた新規複合材料の形態観察。電池電気電子情報通信工学科松永 真理子 准教授電気化学テクノロジー研究室世の中の困りごとをエネルギー変換で解決に導く

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