48Check人間総合理工学科の詳しい研究内容はこちらから北海道豊富町のサロベツ湿原の調査。福井県越前市で「コウノトリを呼び戻す農法」に取り組んでいる農家さんと意見交換。人間の土地利用による物質循環に着目して研究 気候変動に注目が集まる近年、SDGsといった言葉も普及し、環境に対する人々の関心がますます高まっています。私は持続可能性という観点から、環境や生態系について研究しています。具体的には、里山などのように人が手を加えた生態系を中心に、土地利用による植生・土壌・大気の相互作用で発生する物質循環に注目しています。人間の行動によって生態系がどう変化しているか、またその変化が人間の生活にどのような影響を与えているかを観測・調査し、持続可能な社会のために人間はどういった生活をすればよいのかを見出していくことを目的としています。異分野との協力が求められる持続可能性化学 いま、様々な環境問題が提起されていますが、科学や予測モデルの発達によって、地球規模のことは把握できつつあると言ってよいでしょう。ただ、一つひとつの地域に解決手法を落とし込むところまでは至っていないのが現状です。例えば、大気中の二酸化炭素濃度を増やさないために化石燃料を使ってはいけないということはわかっています。代わりに、日本のように森林の多い地域では、林業から得られるバイオマスをエネルギー源にするというアイデアはあるものの、まだ経済的には成り立っていません。人間にとって、経済的価値は大きな指針の一つです。ですから、持続可能性科学は、経済学・社会学・心理学など異分野の研究家と協力しながら分野横断的に研究を深めていくことが求められる研究領域なのです。 研究室では様々な外部機関と連携しています。世界中の研究成果を基に政策提言を行う政府間機関「IPBES」(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)の活動に関わっているほか、今後は足立区の「都市農業公園」や東京湾の「東京港野鳥公園」とも協力しながら環境教育にも力を入れていきたいと考えています。 よりよい未来に向け、生態系と人間社会が抱える課題に一緒に取り組んでみませんか。景観環境人間総合理工学科Hotes Stefan 教授景観環境科学研究室中央大学理工学部には、理工学の広範な領域をカバーする���以 ここでは各分野の最先端を 異分野の学問と連携しながら、社会を考える生物多様性と持続可能な中大理工
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