中央大学 経済学部 2026 GuideBook
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212024年度プレゼンテーション大会地域・財政部門優勝1通の通知書をきっかけに、国民年金の意義に着目社会でも通用する、再現性のある思考力を身につけるFaculty of Economics 2026未加入・未納の原因を抽出スウェーデン方式導入のメリット追加財源も含めた提案へゼミ生に届いた1通の葉書をきっかけに疑問を抱き、「国民年金の未納・未加入」がどのような意味で社会「問題」となっているのかを理解し、論理的に導き出された解決策を提案しました。一つの問題にこれだけ時間をかけられるのも学生の特権。ゼミで得た力を社会に出てからも伸ばし続けてほしいですね。武田 勝ゼミ池田寛英さんをリーダーとするグループは、20歳になったゼミ生に国民年金の納入通知書が届いたことをきっかけに、なぜ年金を納めるのか疑問を持ち研究テーマとしました。国民年金は、現役世代の負担増や、将来の受給不安などが問題になっていますが、グループが着目したのは「低所得で払えない層」と「メリットがないと考えあえて払わない層」が存在すること。先行研究も参考にして議論を繰り返し、解決方法としてスウェーデン方式の導入に至りました。スウェーデン方式とは、年金給付額に最低保障年金を加える方法で、低年金・無年金の回避と保険料納付のインセンティブ確保が期待されます。さらに導入に必要なコストを試算し、財源確保の方法までを論理的に導いて提案にまとめました。武田ゼミで重視するのは、答えを見つけることよりも問いを極めること。年金問題でも視点や立場が違えば答えも異なるため、どの視点から見て何を問題にしているのか明確にする必要があります。今回の研究でも細部にわたる疑問を徹底的に追求し「国民年金の意義を考える」というテーマに着地するまで約3カ月もの時間がかかりました。また「全員ががんばってそれぞれの強みを活かし、チームのパフォーマンスを最大化する」のが武田ゼミのポリシー。各々が自分の得意分野を把握し貢献すること、お互いの意見を尊重し本音で議論できる環境をつくることなど、コミュニケーション能力も鍛えられます。「当たり前を疑うことがゼミのモットー」と話す武田勝准教授。ゼミで身につけた論理的思考力は、社会に出てからも活かされます。武田 勝 准教授未納・未加入は何が問題か ~国民年金の意義を考える~

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