ゼミナールグローバル人材育成キャリア教育22Faculty of Economics 20255つの農場を訪問し、取材それぞれの成功の要因を分析全員が納得できるテーマが決まるまで時間がかかりましたが、それが良かったようです。社会に出れば、立場や背景の違いから意見が異なる他者と協働する機会は増えます。ゼミでの経験を活かして、成果につなげてほしいと思います。江川先生(前列中央)を囲む3年生6人。江川ゼミからは、この他2チームが参加しました。調査内容から結論を導いた経済学部プレゼンテーション大会2023年度プレゼンテーション大会流通・マーケティング部門優勝3つの実践教育経済学部では、ゼミ活動のさらなる活性化のため、各ゼミに所属する3年生が日ごろの研究成果を部門ごとに発表するプレゼンテーション大会を開催しています。本大会は、学生同士の学術交流「知の交流」を目的とし、すべて経済学部ゼミナール連合会に所属する学生主体で実施・運営されています。ここで優秀な成績を修めることはゼミ生にとって大きな目標の一つであり、就職活動時のアピールポイントにもつながります。江川 章 准教授のコメントゼミナール江川 章ゼミ都市近郊農家に有効な所得向上策とは首都圏近郊農家を取材し、直販成功の要因を探る縮小する国内農業の現状を打開するには、直販による販売チャネルを拡大し、所得を向上させることが最重要と考えました。そこで首都圏近郊の小・中規模野菜農家を取材。直販成功の要因として、共通することを4つ発見しました。①付加価値の高い野菜を多品種少量生産している②こだわりや理念が伝わり「この人から買いたい」という信頼関係がある③経営者自ら対面して販売し、口コミで広がっている④SNSは固定客への情報提供に活用している。つまり作物と生産者の個性が一つになって、唯一無二の存在となっているのです。市場環境などの条件もありますが、「こだわり」を持ち能動的に対人関係を作ることが、農家の所得を向上させる販売チャネル構築・拡大のカギになると結論づけました。納得するまで議論し、プレゼンの方向性を決めた研究発表のチームは6人。春休みの合宿で「地域ブランディング」をテーマに決め、下調べを始めましたがすぐに難しいと実感。改めて徹底的に議論し「直販による販売チャネルの構築」に路線変更しました。その時点で予定より遅れていましたが、全員が納得して取り組んだため、以後の作業はスムーズに。夏休みに農家を訪問し、オンラインで情報を共有しました。9月の後期開始から資料の作成や発表の準備を集中して行い、11月18日のプレゼン大会で部門優勝することができました。この間、江川ゼミならではの充実した経験ができ、TPOに応じた言葉が使えるようになった、自分の役割を考えて貢献できるようになった、意見の相違を超えて協働できるようになったなど、それぞれが成長を感じています。
元のページ ../index.html#22