中央大学 商学部 2024 GuideBook
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教員卒業生調整役となって他者と協働する力をゼミ活動を通じて身につけました21農業社会構造、経営・経済農学【専門分野】准教授神奈川県立座間高校出身Faculty of Economics 2024農業の研究を基本に学生の論理構成力を鍛える世界で経験を広げ日本農業の力になりたい公共・環境経済学科卒業【勤務先】農林水産省江 川 農業を研究しているゼミですが、SDGsやフードロスに関心が高まっているため、公共・環境経済学科(→P.14)以外の学生さんも増えています。卒業生 私も食料自給率には関心がありました。江 川 プレゼンテーション大会(→P.22)のテーマは農業経営における女性の活躍でしたね。卒業生 はい。農業にビジネスの発想を活かす担い手として、女性に着目しました。江 川 担い手の問題は、現役世代、親世代、後継世代など、どこに焦点を当てるかで違ってきます。都市部では女性の社会参加が進んでいますから、女性が活躍できる農村をつくるのも重要なことです。卒業生 取材に行った栃木県のブドウ農家さんが印象的でした。普段からInstagramで情報発信をして、夏にはブドウ棚の日陰でヨガ教室を開いていました。ブドウ農園を生産の場としてだけでなく、人が集う場として使っていたのが興味深かったです。江 川 交流会でできた人脈を活用した成功例ですね。行政は女性が集まる場をつくって支援をするのですが、家事を分担しないと参加できません。農林水産省は「家族経営協定」で家族の労働時間、休日などを文書にして決めることを推奨しています。卒業生 そうですね。他の農家さんの取材も続けて、30から40代の若い世代では新しい活動が生まれていることがわかりました。まとめる作業は大変でしたが、プレゼン大会で優勝できました。江 川 調整役として果たした役割は大きかったですよ。そうして学んだことが、今のお仕事につながったのですね。卒業生 実情を調べるほど農家さんが力を発揮できる環境をつくる仕事をしたいと考えるようになり、農林水産省に入りました。現在は輸出・国際局でロシア、NIS諸国、南アジアを担当しています。江 川 まさに世界の食料危機の火種になっている地域ですね。どんなお仕事をしていますか。卒業生 日本式農業の海外展開に向けたプロジェクト(J-Methods Farmingといいます)を進めています。日本の農業がわからないと世界のこともわからないので、ゼミで学んだことがそのまま活かされています。江 川 関係部署の調整だけでも大変そうですね。卒業生 はい。今はインド出張のための調整に追われています。ゼミで交渉力を鍛えたことが、こんなところにも役立っています。江 川 国民の活動を後方から支援するのが仕事ですからね。日本の農業を支える力になってくれるよう期待しています。江川 章農業経営に女性活躍の道を探る学んだ知見を活かしてグローバルに活躍

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